アリと王女

『昨日も言ってたわよね?わたしが“必要”って』



ヒナリは少し困ったような顔をしている。



隣にいたカブーロは、さっきまでとは違い、とても大人しい。



『どうしてわたしじゃ駄目なのか、おしえて』



『……』



長い沈黙。



ーしかし、意外にもヒナリがこれを解いた。


『いいよ、わかった…。でもココじゃ誰かに聴かれちゃう。向こうで話そう』



『いっ、いいわよ?』



思わずびっくりしてしまった。

沈黙があんまりにも長かったもんだから、つい、眠たくなっちゃったわ…


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