アリと王女
『二人そろって…なんなのその顔は』
カブーロも詳しく聞きたいらしい。
笑うと、にこっとはにかんでくれた。
『…わたしは王様と婚約者っていうか、実は幼なじみなの。だから、ずっと仲がよくて…。それだけよ』
『へぇ。王様と幼なじみなんて羨ましい。わたしなんて、女王の娘なのにそういう出逢いはナシよ?もう14歳なのに…。でも…』
『でも?』
いけないいけない。
王様にプロポーズされたのは黙っておかないと…
わたしは微笑んで、話しをごまかした。
『そういえば、王様って名前なんて言うの?まさか、“王様”のはずはないでしょう?』
これにはみんな黙ってしまった。
本当に“王様”だったりして…