アリと王女

暇な原因はもう一つある。



マロさんがいないこと。


わたしの喋り相手はいつもマロさんだった。


他の人はみんなもっと年上。
だから、喋りにくいったらありゃしない。



マロさんも今頃、楽しんでいるだろうか。



わたしは全然だわ…



ママからは外出禁止令がでちゃったし、勉強、勉強って煩いもの。




これなら、ヒナリやカブーロといたほうが楽しかったのかも…



『ーって、わたしはどうしたの?』


ぱちん。

両手でほっぺを叩いた。


『あんな喋るアリや鳥といるほうが楽しいだなんて、わたし、どうかしてるんだわ!』



動物なんて大嫌いだもの。


< 32 / 45 >

この作品をシェア

pagetop