アリと王女
暇な原因はもう一つある。
マロさんがいないこと。
わたしの喋り相手はいつもマロさんだった。
他の人はみんなもっと年上。
だから、喋りにくいったらありゃしない。
マロさんも今頃、楽しんでいるだろうか。
わたしは全然だわ…
ママからは外出禁止令がでちゃったし、勉強、勉強って煩いもの。
これなら、ヒナリやカブーロといたほうが楽しかったのかも…
『ーって、わたしはどうしたの?』
ぱちん。
両手でほっぺを叩いた。
『あんな喋るアリや鳥といるほうが楽しいだなんて、わたし、どうかしてるんだわ!』
動物なんて大嫌いだもの。