アリと王女
『でも…』
「コンコン♪」
ドアを叩く音がした。
わたしはベッドから起き上がり、そろっとドアを開けた。
『はぁい…』
『ああ、エルダ。良かった、いたのね。』
ーママだった。
どういう訳か、息を切らしている。
『ちょっとね、急な用事が入ってしまって今夜出掛けないといけないのよ。だから、明日は帰りが遅くなるかもしれないから、行儀よくしておくんですよ』
『ーマ…じゃない、お母様。わたしを何歳だと思ってるの?』
そう言うとママは、まだまだ子どもじゃない、と部屋を出ていった。
ーああ
また暇だわ…