アリと王女


シンー…





『何にも起きない…やっぱり魔法なんて嘘なのかしら』




わたしは辺りを行ったり来たりした。




ー魔法は結局使えないみたいだし、これからどうしよう…




『はぁ…』



不意にため息がでる。



お腹もペコペコで立っているのも疲れた。




『…ヒナリやカブーロがいたらなぁ』



『あらあら?もう寂しくなっちゃった?』




ー!?



鈴の音のような可愛い声ー



さっきまで座っていた岩の上に、ちょこんと立っている黒いものー



『ヒナリ!!』


『エルダ!』



わたしはヒナリのもとへ駆け寄った。



『おーい!オイラもいるよぅ』


『カブーロ!』



わたしたちは手をつないで踊った。



二人といると、何故だか安心できるー

そんな気がした



< 44 / 45 >

この作品をシェア

pagetop