アリと王女
シンー…
『何にも起きない…やっぱり魔法なんて嘘なのかしら』
わたしは辺りを行ったり来たりした。
ー魔法は結局使えないみたいだし、これからどうしよう…
『はぁ…』
不意にため息がでる。
お腹もペコペコで立っているのも疲れた。
『…ヒナリやカブーロがいたらなぁ』
『あらあら?もう寂しくなっちゃった?』
ー!?
鈴の音のような可愛い声ー
さっきまで座っていた岩の上に、ちょこんと立っている黒いものー
『ヒナリ!!』
『エルダ!』
わたしはヒナリのもとへ駆け寄った。
『おーい!オイラもいるよぅ』
『カブーロ!』
わたしたちは手をつないで踊った。
二人といると、何故だか安心できるー
そんな気がした