アリと王女
『お嬢様、お嬢様~』
『あっマロさん!』
あんなに走ったら危な…『ガシャーンっ』
ああ…やっちゃった
『大丈夫ですか?』
わたしは尻餅をついたマロさんに手を差しのべた
『ありがとうございますお嬢様。
ああ、せっかくのお花が台無しです。それに絨毯もビショビショで…。奥様に叱られる…
ああどうしましょう!』
マロさんは相当焦っていて、すぐに戻りますからと言い、そのまま行ってしまった。
マロさんはママのこと苦手だからね。
ママは結構気に入ってるみたいなのに…
どんくさい所とかね。
わたしも、マロさんとは幼なじみみたいなものだから。
そういや、もう十年になるのね。