アリと王女
あともうちょっと…
その時だ
キイィ…
『えっ』
大広間の扉が開かれたかと思うと、ママと女の人が入ってきた。
『まあダリアさんたら面白いかたねぇ』
『ふふ。嫌ですわ、そんな…
あら、エルダ。そこで何をしているの?』
『…お散歩です』
もう、こういう時に限ってよく逢うんだから…
『あら~。エルダちゃん?
やだ、久しぶりねぇ』
『えっ、あっーはい。こんにちは』
あれ?この声、懐かしいでも…誰だっけ。
『覚えてない?お茶会で一度会ってるわ。
マーゼよ。ダリアの姉。もう随分と会ってなかったから』
ママのお姉さんということは伯母さんか。
それにわたし、お茶会のことなんて覚えてないわよ…
マーゼさん、マーゼさんマーゼ伯母様…
『あっ!そうだわ。マーゼ伯母様だわ!お久しぶりです』
『ふふふ。思い出してくれたのね』