アリと王女
あの後、わたしは散歩をやめてマーゼ伯母様とパーティーを楽しんだ。
ああ~結構疲れちゃったな。
でも、マーゼ伯母様ったら本当に面白い人。
『早く夜にならないかしら♪』
どうして、わたしがこんなにも浮かれてるのかというと、実は今夜、マーゼ伯母様の別荘にお食事しに行くからだ。
『ねぇマロさん』
わたしは部屋の掃除をしていたマロさんに話しかけた。
けれども、返事がない…
もう一度呼んでみると、我に返ったようにマロさんはこっちを振り向いた。
『すいませんお嬢様。わたし、少しボーっとしてましたわ』
『…マロさん、何だか嬉しそうね。何かあったの?』
マロさんは少し照れながら、小さく、はいと言った。
『実は今夜…あの、そのえっとですね…』
『ーもうっ焦れったいなぁ!』
マロさんはすいませんすいませんと頭を下げる。
いいから早く言ってよ~
『えとですね!わたし、暫く休暇をもらって旅行に行くんです』
『旅行!いいなぁ…誰と行くの?』
マロさんはまたもや照れた。
ははん…そういうことね
『あっ、ヤッパリ言わなくていいわ。わたしが知っても意味ないものね』
マロさんはきょとんとしていた。
惚けたって無駄よ。