赤ちゃん
カレンダーや写真集で人気のあるものに、動物素材がある。

特に動物の赤ちゃんはいつ見ても可愛い。

そんな本やカレンダーはつい買いたくなるので、私はそういう危険な売場にはなるべく近寄らないことにしている。

ふわふわの柔らかそうな毛に、大きな瞳。

猫だろうが、犬だろうが、狐だろうが、熊だろうが、狸だろうが、何でも可愛い。

トカゲやワニや亀だって子供は結構可愛い。

卵から出たてのコブラだって見ているだけならまあ大丈夫だ。

子供の愛らしさは、毒気のなさからくるのであろうか。

現実では、動物だって、小さい頃からやんちゃで、猫などは表に出しておくと結構バッタなどを取ってくる。

喧嘩の真似事をしてきたるべき将来のテリトリーの確保に向けて着々と準備をしている。

われわれが「可愛い」「愛らしい」と思うのは、見た目の問題なのであろう。

表面的な印象に過ぎないのだ。

写真に写らない毒気を、想念の外におくことで、われわれは癒されるのである。

われわれが動物の子供の写真に癒されるとき、日常を荒々しく行きぬかざるを得ない生活をしている自分の中にも、まだそういう自分がいることに癒される。

動物の毒気のなさと、自分の純情が共鳴し合った瞬間が、「可愛い」と思う刹那なのだ。

何はともあれ、どう解釈しようが、用は動物の子供の写真は単純に可愛いのである。
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