手をつないで
恋心
家に帰った私は




真希と私の写真を取り出し




ジロジロと観察を始めた





「…顔の可愛さ…当たり前に真希の勝ち…」




「足の長さ…も、真希の勝ち……」





「細さ、も、真希……」




「胸……」




写真を見ながら、自分が嫌になってきた時




一つだけ勝目を見つけた




「胸!!私のほうがでっかい!!!」





やった――!!!!




なんて喜んだのも束の間



すぐに虚しさが込み上げてくる



「ハァ…胸だけでっかくても意味ないよ……可愛くなきゃ……」





自分の写真を見ながらそう呟いたその瞬間



『千里ー!!!お友達来てるわよー!!』




階段ごしからお母さんの声が大音量で聞こえて来た




「はいはーい!!!今行く!!」




急ぎ足で階段を下りて、玄関のドアを開けるとそこには、クラスの男子の姿があった





「う、え原…っ!?」





「…ちわ」




「なにっ…?どうしたのっ…?」





たいして面識も無いクラスメイトの男子がいきなり家に押しかけてくるなんて、驚きが隠れない






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