藍色ブリティシュ
次の日にはプリシッラとゲヴェールの戦いが始まるとどの新聞でも一面記事となり、テレビでも前代未聞!十二宮に戦線布告!高飛車娘は唐沢卿のご令嬢と報道され、テレビブリタニアでは急ピッチでこの歴史的対決の特番の製作会議が行われていた。この私、先代の十二宮・処女宮の座(くら)の持ち主だったサンドリヨン・ローゼンを中心に。と言うより私が出した幾つもの案を3つに絞り込む会議のが正しいんだけど。
とりあえずファーストラウンドとファイナルラウンドはテレビブリタニア特設スタジオでやって、セカンドラウンドはシアトルでやること、ファーストラウンドとセカンドラウンドにどっちかが2勝してもファイナルラウンドはやる、ファイナルで勝ったら先に2敗してても優勝ときまり、あとは種目をどうするかだけ。
とびっきり面白いのを絞り込まなきゃ。
そのころゲヴェールは水銀燈新聞のこの記事を目の前にし、自分の言葉にショックを受けつつ妹のチルチル(ちるみ)と兄ハーネルさんとこのことで話してたりするんだろうな~。とのんびり思ってたんだけどヤッパリそうだったみたいでチルチルからのメールにそんな書いてあったんだ。
「スゴーい♪どの雑誌もゲヴェールお兄ちゃんとプリシッラちゃんの勝負一色だ~♪」
って言ったらゲヴェールお兄ちゃん、うぐぅって言いながら泣いてたんだ~。そしたら(ハーネル)お兄ちゃんが、
「お前とんでもねぇヤツの挑戦受けたなぁ。ま、精々頑張るんだな。」
って言ってたってメールにあったけど・・・、泣いてたんだ。う~ん・・・、オッサンの号泣って想像しただけできめぇ・・・。なんて言えはしないよね。親友の兄なんだから、そのオッサンは・・・。
でも、十二宮のオッサンが無様に号泣すんのがテレビで世界中に流れんのもなんか面白いかも♪そうだ。チルチルにルフ借りちゃおっ♪ルフと一緒に考えたら史上最高の特番が出来ちゃうし。多分。そしてチルチルに話したらルフはすぐ了承した上に私に任せときなさいと言わんばかりに私とタッグを組んでくれた。
かくしてブリタニアのお騒がせ娘と名高い私サンドリヨン・ローゼンとお騒がせ使い魔ルフがタッグを組んだのである。
もはや誰の理解も想像も追いつかない世界の幕は上がるのだ。
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