あいらぶゆう~AI love YOU~
なんて可哀相な事を考えながら、
ガラス越しに外にいるカップルを見つめる。
中学生かなー、かわいーなー。
「いたっ!」
左手に鈍い衝撃を受けて前を見ると、
目を細めて千夏があたしを睨んでいる。
訳がわからず、とりあえず見る。
「・・・・・・・なに・・・」
「愛、全然わかってない」
「はぁ? なにが」
「ちゃんと小倉君に聞かなきゃ、
わからないことだってあるんだからね!?」
「はぁ・・・・・・・」
「憶測だけで分かった気になっちゃ駄目だよ」
それだけ言うと、
あたしから視線を外し、
なぜかすごく悲しそうな表情になった。
まさか千夏、佐野君とうまくいってないんじゃ・・・・・・
♪~・・・
「もしもし、亮太君!?」
出んの、早ッ!!
鳴ってから1秒も経たないうちにケータイを手に取る千夏。
にこにこと笑いながら話している千夏を見て、
「こいつら腹立つくらいラブラブだった」
と、改めて知る事になった。