あいらぶゆう~AI love YOU~
「なにか言ってよ・・・・・・」
声を振り絞る。
黙ったままだった優が振り返った。
振り返った優は、笑ってる?
「さっき聞いたよ。
13日あいつの誕生日だろ?
お願いされちゃってさぁー、行ってやれよ」
お願いされた?
行ってやれ?
ふざけないでよ・・・・・・
なんで彼女をわざわざバレンタイン前に違う男のとこ行かすの?
「お願いって、ふざけっ・・・・」
大きな声で叫ぼうとしたとき。
「あいつ、お前のこと好きなんだって」
笑顔のまま優にありえないことを言われた。
人がたくさんあたしたちの周りを歩いてるのに、誰も歩いていないかのように思えた。
冷たい風が優の髪を揺らしてる。
「さっきさ、言われたんだ。
“俺のほうがずっと前から愛ちゃんのこと好きなのに、なんでいきなり出てきた奴に盗られなきゃいけないんだ”って・・・・・・
なんか目とか赤くなっててさ、
どうしたらいいかわかんなくなっちゃって」
優の笑顔が歪む。
苦しそうなその顔が、
あたしの胸を締め付ける。
あたしの気持ちはどうでもいいの?
目の前が涙で霞んだ。