あいらぶゆう~AI love YOU~



胸の奥が鈍く痛む。



「だから変なこと言う前に
あたしが止めようと思ったんだけど・・・・

間に合わなかったみたい。ごめん」



「そんな、千夏が謝ることじゃないよ。
それに泣いちゃったのは、それとは別」


「別って?」



胸の鈍い痛みが酷くなる。



首を傾げる千夏から目線をそらし、
三角座りした膝に顔を埋めた。


「別に、正樹くんとこ行けって
言われたのが悲しい訳じゃない。」




胸の痛みが酷くなる。




「彼女のこと好きって言ってる人の所に、
笑いながら行けって言う事が嫌だった。

あたしは優が好きなのに、
優の『好き』はどんどん減っちゃってるのかと思うと悲しかった・・・」




最後の方は泣いてて、
なに言ってるか、わからなかったと思う。


胸の中を釘で打たれるような痛みが走る。





「それが小倉君の『好き』なんじゃない?」



顔を膝に埋めたまま、
続く千夏の言葉を聞いた。



「小倉君は、片思いの辛さを知ってる。
だから、正樹にも告白するチャンスをあげた。

別に愛が好きじゃなくなったわけじゃないと思うよ?」



告白する、チャンス・・・・・?


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