あいらぶゆう~AI love YOU~



「俺、持ってるけど?」


そういって、
あの日あたしが投げつけたチョコを机の下から取り出した。




ついでに、前髪をあげておでこも見せるというおまけ付き。




ってか、まだ赤いし・・・・





苦笑いしながら、
じろりと見てくる優の視線を避ける。




「と、とにかく! ハイ!!」


「・・・・・どーも」




優からの視線が痛くて、
押し付けるように渡した後正樹くんへと買った小さなチョコを取り出して袋をくしゃっと丸めた。




「これ、袋捨ててい?」


「いいけど、なんだそれ?」


「これ? 正樹くんのチョコだよ。
ゴミ箱ってどこにあるのー?」



「ちょい待て」



ゴミ箱を探すあたしに、
眉間にしわを寄せた優が写った。


なんだろう。



「優のチョコは甘くないよ」


「いや、違うから」



予想したことは違うくて、
首を傾げる。


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