あいらぶ?~I love?~
さっきは俺に頼んでまで要から逃げてたくせに、
何で今はそんなに簡単に行くんだよ・・・
「これ。ベンチに使うペンキ」
「わー、いっぱいあるねぇ」
「カラフルがいいだろ? だって」
「山チャンらしー!」
俺には見せたことないような笑顔を要に向ける愛。
胸の中を何か気持ち悪いものが、
ぐるぐる回ってるみたいだ。
胃が気持ち悪い。
2人に何も声をかけずに、
背を向けて裏庭へと向かった。
隅のほうにあるベンチに寝転ぶと、
強く目を閉じる。
胸が痛い。
気持ち悪い。
なかからカナヅチかなにかで、
叩かれてるみたいだ。
心臓の音にあわせてズキズキする。
「くそっ・・・・・・」
くしゃっと前髪をかきあげて、
鬱陶しいくらい晴れてる空を睨む。