あいらぶ?~I love?~
-Nami Ogura-
4月上旬。
全身鏡の前でにやけながら立っていた。
小倉波。
今年、春から花の高校生。
高校の入学式まで後数日をきっていた。
「うわっ、お前何してんの?」
「おっ、いいこと来たね優ちゃん!
見てみて~♪ 制服! 似合ってる~?」
リビングにおいている全身鏡を見ている
波の元に、1つ上のお兄ちゃんがやってきた。
スカートの両端を持って、
優ちゃんから良く見えるように広げてみせる。
「制服なんか誰にでも似合うように作られてんの」
なっ・・・・・
優ちゃんの言葉に、
思いっきり顔が引きつる。
「あぁあ、相変わらずいい性格してるわ。
素直に可愛いって言えばいいのにぃー」
「誰が悲しくて妹に“可愛い”なんざ、
言わきゃなんねんだ。オカンに言ってもらえ。オカンに」
それだけ言うと、
優ちゃんはソファに座ってテレビを見だした。
むーかつくぅー・・・・・
スカートを持っていた手を離し、
また視線を優ちゃんから鏡へと移動させる。