あいらぶ?~I love?~
愛さんは波と男の子に手を振り、
優ちゃんをしばきながら体育館らしきところに向かっていった。
何気なく男のこのところを見ると、
またばっちり目が合った。
ってゆうか、超見られてる・・・
「・・・・・・何か?」
「あんた、アイツの妹?」
あいつ? ってまさか・・・・
「優ちゃんのこと?」
首をかしげながら尋ねると、
男の子は優ちゃんのように眉間にしわを寄せた。
あ。びんご?
眉間のしわに慣れてるのか、
聞くまでもなく優ちゃんの妹なのかと聞かれてるのかわかった。
「そーだよ。 小倉波。
君アレなんでしょ? 千夏さんの弟」
「・・・・・うん」
「じゃあ、これからヨロシクね?
えーっと・・・・・・正樹くん!」
余所行き用のとびっきりの笑顔で、
右手を正樹くんに差し出した。
もちろん、握手のつもり。
波は優ちゃんと違って小さい頃から愛想がいいから、最初だけはこうやって飛びっきりいい子に見せる。
長年培った賜物よ。