「私」にはなかった「モノ」【実話】
卒業式は出なかった。

後で一人でやる羽目になった。
正直嫌だったが、これは諦めるしかない。
散々迷惑をかけたんだ…

私の分のアルバムはない。

以前いらないと言った。
私は写ってないし、興味もなかった。

一人ぼっちの卒業式が終わり、校舎を出た。


特に振り向きもしない。


いつも通りに帰路に着いた。
私の忌まわしい中学生活は、あの門を出た時に終わった。
一つ肩の荷が下りて、かわりに別の荷が乗った。

それが妙に私を安心させてくれた。




「あの荷物より重い荷物はない。…今はね。」
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