「私」にはなかった「モノ」【実話】
彼はいつも話しかけてくれた。

その度にバイトの女の子達の視線が痛いが、別にただ彼も暇だから一番近い私に話しかけているだけだ。
そんなに恨めしい目でみられても困る。



｢で？その二次整形って？｣

｢あ、私がやってたのは豚肉なんですけど…｣



ただ、私も満更でもない。

暇つぶしになるし、仕事はつまらないのだし、こんなに明るくて面白い人が話しかけてくれればつまらない仕事も少しは面白くなる。



｢そういえば、絵、もって来てくれた？｣

｢え？あれ本気だったんですか？｣

｢もってきてないの？じゃあ今度もってきてね！｣

｢あ、それなら私サイト持ってます。｣

｢へぇ！サイトってどうやって作るの？｣

｢私が今やってるのは携帯サイトなんですけど…｣



楽しい仕事だった。

それも後二回行ったら終わりとなった。
短期のアルバイトだったから、二週間くらいで終わりだ。

１月４日。
いつも通り一日が終わった。

１月５日。
今日はアキラさんは休みらしい。
と言うよりほとんどの人が休みだった。

班長さんが来て、私を含むアルバイトの人達に、明日もこれる人は来て下さい。と言った。



明日は用事もないし、行こうと思った。
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