「私」にはなかった「モノ」【実話】
目が覚めたのは車の中。

毛布がかけられている。
車はどこかへ向かっているようだ。
この車は…優しい彼の車だ。
起き上がって運転席を見た。

やはり彼だ。



「おはよう…ここ、どこ?」

「あ、起きましたか?今調度橋を渡っています。ちょっと混んでるので、もう30分くらいあればお家につきますよ。」

「あ、有難う~」

「ねぼすけ~おはよう!」



昨日一緒にチョコレートを作ってた近所の友達だ。
彼女も一緒に帰る。
彼の家に遊びに行った時はいつもそうだ。



「今何時?」

「もうすぐ11時だよ。」

「じゃあ家についたら11時半くらい?」

「そうですね、そのくらいだと思います。」

「12時にはお家でなきゃ。」

「早くない?待ち合わせは1時でしょ?」

「1時間くらい前からいなきゃ気が済まないの。ゲーセンで遊びたいし…」

「ふぅん…」



しばらくして家についた。

もう11時半を過ぎて、もうすぐ12時、という時間だったので、早速ショッピングセンターに向かった。
一緒に帰ってきた友達も一緒に行った。
私もゲームやりたい、とは言っていたが、きっと私が待ち合わせしている人が気になるのだろう。

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