「私」にはなかった「モノ」【実話】
しばらく遊んでいたら、10分前くらいになった。
そろそろ外に出る、と友達につたえて、喫煙所まで来た。

煙草は、実は中学の時から吸っている。

ただ興味がわいただけで吸い始め、今はちょっと後悔している。
吸っていて良い事なぞ何もなく、悪い事ばかりだった。
携帯が鳴った。

開いてみると、アキラさんからのメールだった。



今ついたけど、どこにいる?

今外です。
自販機があるところです。



煙草をもう一口。
その火を消した時、声をかけられた。



「ちわっす!元気?」

「はい、今日和。」

「煙草吸うの?」

「あ…はい。最初はただ興味だったんですけどね、だんだんとやめられなく…嫌だったら言って下さい。」

「あ~わかるなぁ~俺も吸うから大丈夫だよ。」



彼はそう言って胸ポケットから煙草を出した。

あ…吸うんだ。

と思った。
爽やかなイメージがあったから吸わないと思っていた。



「そうなんですか、意外ですね?」

「そう?」

「はい、意外です。」



喫煙所のベンチに二人で腰掛けて、私も…ともう一本煙草を取り出した。
彼はケントの3mg、私はマルボロの赤…12mgのやつだ。

煙草…本当にやめなきゃな…



「待った?来るの早いね?」

「いえ、友達とゲームやってました。」

「え!?邪魔しちゃったかな?」

「いえいえ、昨日遊んでた延長で…さっき帰りましたよ。彼女も今日は誰かと出かけるみたいな事言ってましたし…」

「そうなの?なら、よかったけど…」
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