「私」にはなかった「モノ」【実話】
一学期は我慢した。
虐められても、学校は行かなければいけないと思っていた。

夏休みになった。

ただ、学校に行かなくて良いだけのこの生活が、どうしてこんなに幸せなのだろう?

部活には行った。

姉も行っているし、2年生の先輩は嫌いだったけど、姉がいるから何も言わないし…何もしない。

統計グラフと大看板。

夏休みの部活でやることはそれくらい。
私はあまり参加しなかった。
興味もなかった。

家にいれば、寝ているばかり。
絵を描いたりもした。
稀に[お友達ごっこ]のメンバーと会ったりもした。

毎日が退屈で、それでいて学校に行かないという事実だけで幸せだった。
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