「私」にはなかった「モノ」【実話】
近場で他に遊ぶところもなく、とりあえず近くの公園に来た。
住宅地の中の小さな公園。
ここは私の家の目の前だ。
その公園の石造りの机と椅子のあるところに座った。
藤の木が伸びて私達の座る場所の屋根になっていた。
時期だったら綺麗な藤の花が見れたかもしれない。
話題を振ったのはアキラさんだった。
「明日誰かと出かけるの?やっぱ彼氏?」
「やだなぁ~彼氏なんていませんよ~家で寝ます。明日はきっと母も姉も家にいるので。」
「そうなの?信じらんないなぁ。絶対いるでしょ?」
「いませんよ。私、男の人苦手なんです。」
「え!?」
「あ、アキラさんは大丈夫ですよ?じゃなくて同じ歳くらいとか…それに話す機会もないですから。」
「ふぅん…もてそうだけどなぁ~」
「またまた、私そういうお世辞嫌いですよ~」
「お世辞じゃないよ。可愛いと思うし。」
「あはは、有難う御座います。でも、もてませんし、彼氏もいません。それにうちそれどころじゃないんで…」
はっと口を塞いだ。
塞いだと言うよりは抑えただけだが、あまり家の事は話したくない。
父が入院している話はした。
けれどもそこまで酷いだとかそんな話はしてなかった。
他人にあまり家庭の事を話したくなかった。
父の入院を知っているのも、家族以外ではそんなにいない。
何故アキラさんに話してしまったのかわからなかった。
「あ、お父さん入院してるんだっけ?そんなに酷いの?」
「いえ…まぁ…あ!そういえば…忘れてました。」
「え、何々?」
住宅地の中の小さな公園。
ここは私の家の目の前だ。
その公園の石造りの机と椅子のあるところに座った。
藤の木が伸びて私達の座る場所の屋根になっていた。
時期だったら綺麗な藤の花が見れたかもしれない。
話題を振ったのはアキラさんだった。
「明日誰かと出かけるの?やっぱ彼氏?」
「やだなぁ~彼氏なんていませんよ~家で寝ます。明日はきっと母も姉も家にいるので。」
「そうなの?信じらんないなぁ。絶対いるでしょ?」
「いませんよ。私、男の人苦手なんです。」
「え!?」
「あ、アキラさんは大丈夫ですよ?じゃなくて同じ歳くらいとか…それに話す機会もないですから。」
「ふぅん…もてそうだけどなぁ~」
「またまた、私そういうお世辞嫌いですよ~」
「お世辞じゃないよ。可愛いと思うし。」
「あはは、有難う御座います。でも、もてませんし、彼氏もいません。それにうちそれどころじゃないんで…」
はっと口を塞いだ。
塞いだと言うよりは抑えただけだが、あまり家の事は話したくない。
父が入院している話はした。
けれどもそこまで酷いだとかそんな話はしてなかった。
他人にあまり家庭の事を話したくなかった。
父の入院を知っているのも、家族以外ではそんなにいない。
何故アキラさんに話してしまったのかわからなかった。
「あ、お父さん入院してるんだっけ?そんなに酷いの?」
「いえ…まぁ…あ!そういえば…忘れてました。」
「え、何々?」