「私」にはなかった「モノ」【実話】
帰ってシャワーを浴びた。
髪を乾かしながら部屋に入ると、よっちゃんが私に話しかけた。



「アユ~さっき公園で一緒にいたの誰~?」

「あ~?嗚呼…見てたの?」

「たまたま通りかかったの。ねぇ誰~?」

「ほら、郵便局でお世話になった人いるって言ってたでしょ?」

「ふ~んその人?」

「うん、そうだよ。」

「なぁんだ、彼氏じゃないのか。」

「違うよ。私に彼氏なんかできる訳ないし、作る気もないよ。」



携帯が鳴った。
開くと、アキラさんからのメール。

よっちゃんがまだ何か言っていたが、無視して返信する。



チョコうまいよ!
有難う!

そうですか?
ならよかったです。

天才じゃね?
すごいうまいよ!
なんでこれサクサクするの?

クッキーが入ってるんですよ。
別で焼いたクッキーを砕いて入れてあるんです。

へぇ!
それでサクサクになるんだ。
マジでうまいよ!

喜んでもらえたら私も嬉しいです。
でもお腹壊したらすみません(笑)

え(笑)
でも料理出来るんだ、すごいね?

いえ、あんまり得意な方じゃないです。
お菓子はよく教えてもらって作るんですが…

甘い物好きなの?

好き…ではないかも…
どちらかというと苦手な方かもしれません。

そうなの?じゃあ食べ物って何が好き?

果物が好きです。
特に梨と苺が…

へぇ…
なんかお嬢様っぽい。

お嬢様ですか?
そうですかね?よくわかりませんが…

じゃあ今日からお嬢って呼ぼう。

え、それはやめて下さい;;

お嬢~



楽しい日々が続いた。




このままずっと、楽しければ良いのに…
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