おいで。
助席にお母さん、後部座席に私が座った。
運転手はもちろんお父さん。
「さぁ~、行くぞー、帰ったら0時回ってるかもなー由希、眠たかったら寝てていいぞー」
お父さんがハハッと笑って車を発進させた。
来た道を帰ろうとしたお父さんにお母さんが待ったをかけた。
「ねぇ、あなた。今日休日だから混んでるんじゃないかしら?私、渋滞は嫌よ、他の道知ってるからそっちから帰りましょう」
お父さんは、「おぉ」と言ってお母さんに言われるがままに別の道から帰ることにした。