あたしの執事
愛梨は、坂上が呼んだタクシーに乗るとすぐに葛城の家へと向かった。









「お客さん、着きましたよ。」

運転手にお礼を言って、お金を払い、タクシーを降りた。



そこは、静まり返った公園の前だった。



たぶんこの辺りなんだけど……。


街頭が薄暗くて、表札もよく見えないわ。





愛梨は、一軒一軒表札を覗き込むように見た。





「お嬢さん、誰かの家を探してるのかい?」



ふいに後ろから声を掛けられた。
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