あたしの執事
ナイフが坂上の頬【ほほ】をかすめる。



「ふ、さすが、目の色が違うだけあるな。しかし、どれだけかわし切れるかな?」


シュッ


ナイフがスーツをかすめた。




徐々に坂上は、後ろの木の方へと追い詰められていく。



「坂上っ!!」



「ご安心を、お嬢様。今そちらに参ります」



坂上は、愛梨を安心させるように微笑した。




「よそみとは、いい度胸だな。お前、自分の立場わかってんのか?お前はここで死ぬんだよ!!」

男はナイフを坂上に振りかざしながら嘲笑う【あざけわらう】



しかし、坂上は顔色一つ変えることなく冷厳と男を見据えた。


それが、逆に男の逆鱗へと触れた。



「なんだ?その眼は?気にくわねぇ!!」



ナイフを坂上の目へと向けようとした。
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