あたしの執事
バタンッ


強く閉まったドアを見て、父親の伸次は、深いため息を一つついた


たった1枚のドアがそこにあるだけなのに

すぐ開けれるのに



伸次の足は動けずにいた



まるでそこから先に、

愛梨の領域に入るなと言われているような気がした


親子なのにな・・


つらい過去を一人で抱え込んでいる娘に対して俺は何もできない



見守ることしかできない




なぜなら、自分は当時傷ついた愛梨を冷たい一言で突き放したのだから



理由は知らなかった



でも、それは言い訳でしかない
< 12 / 215 >

この作品をシェア

pagetop