あたしの執事
「お嬢様、今宵はお疲れでしょうから、お風呂でゆっくりなさって下さい。」



坂上は、何事もなかったように微笑むと愛梨を浴槽まで抱き抱え、その場を後にした。




愛梨は、抜け殻のように風呂へと入った。




すると、ラベンダーの香りが鼻孔をくすぐった。



よく見ると、薄紫色のラベンダーの花が一面に浮かんでいた。




その匂いが、頭の中を満たして、心の痛みが和らいでいくような気がした。




< 125 / 215 >

この作品をシェア

pagetop