あたしの執事

愛梨は食欲がなかったが、坂上を心配させたくなかったので、少しばかり食べて坂上に学校へと送ってもらった。
　　　　


「お嬢様、いってらっしゃいませ。」


坂上は車のドアを開くと、深々とお辞儀をした。



「いってきます。」

愛梨は坂上の瞳をじっと見つめ、微笑みながら言った。



すると坂上は一瞬驚いた顔をしたが、次にはにかんんだ表情を浮かべ微笑み返した。




坂上と別れると、愛梨は教室にゆっくりとした足取りででむかっていた。



「愛梨〜!!おはよっ。」


後ろから、明るい少し興奮したような声がして愛梨の肩にその声の主が触れた。