あたしの執事
・・様、…な様、旦那様」

執事の坂上の声で、意識が現実に戻った。

「あぁ、どうしたんだね?坂上君?」


「愛梨お嬢様をお迎えに参ります。」


「あぁ、しかし、その前に少し話をせねばならん。」



「申し訳ありませんが、後にはできませんか?お嬢様が風邪をひいてしまいます。」


坂上が愛梨を心配している表情を見て、伸次は眉間にしわを寄せながら、考え込んだ。




「そうだな…娘を、愛梨を頼む。」


そして、伸次は、坂上が言っている事が正しいと判断し、坂上に娘を任せることにした。


「もちろんでございます。では、失礼します。」



坂上は一礼すると、クローゼットからコートを取り出し、手に取ると愛梨の部屋を後にした。
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