あたしの執事
「坂上、今から……葛城の所に行って欲しいんだけど。」



愛梨は自分のスカートを握りながら言った。



「あちらには、お近づきにならない方がよろしいかと思われます。」



抑揚のない声で坂上は言う。



ミラー越しに愛梨の震える肩を見て、愛梨の恐怖と闘っている気持ちが伝わってきた為、余計に坂上は愛梨に葛城の家に行って欲しくはなかった。




「あのね、坂上も一緒に同行して欲しいの。だめかしら?」













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