あたしの執事
「かしこまりました。」



坂上は事務的に言うと、いつもより強めにアクセルを踏んで車を発進させた。



愛梨は少し前のめりになりながら、坂上の苛つきを感じた。



「何、怒ってるの?」




「いえ、なんでもありません。」




坂上は口ではそう言いながらも、自分の胸中からふつふつと軽い嫉妬心が葛城に対し沸くのであった。



昨日あんな怖い思いをしたのに。



何故愛梨が既に辞めた執事に会いたがるのか。



坂上には理解できなかった。
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