あたしの執事
愛梨はまさか本当のことを言えず言葉に詰まった。

「えっと…、社会経験を積もうと思ったからです。」



「まぁ事情が何にせよ、一日、一日、毎日よりお客様に喜ばれる工夫をして向上心を持って頑張ってね。」



「はい。」

店長は愛梨のはっきりとした返事に微笑を浮かべた。



「それじゃ、いつから働けるかな?」



「え?」


「今人手が足りなくてね、それと研修期間の一か月は他の人より500円安くなるけどいいかな?」



店長は有無を言わさない口調で、しかし満面の笑みで問いかけた。







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