あたしの執事
「…そうですか。」


坂上は一瞬寂しそうな表情を見せると、それっきり口を閉ざした。


愛梨が車に乗り込むのを見届けるといつものようにドアを静かに閉めた


そんな中、愛梨は一人考え事をしていた。


菜月ってばどうしちゃったのかしら。
いつもメガネの執事なら彼女の隣にいるのだ。


それに同じクラスの女子に仕える執事の中で眼鏡を掛ける者も少なからずいるのだ。

その彼女達の家へ遊びに行ったとか彼らの魅力などは、よく菜月から話を聞かされていたが…

それをきっかけに菜月がそのクラスメートと話さないなんてことはなかった。


──なんで、私だけ。

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