あたしの執事
ねぇ、神様。


お願いだから、今の私から坂上まで奪わないで下さい。



私には坂上が必要なの。

優しいんだけど、


心配して怒ってくれて、

我が儘も受け入れてくれて、

自分も危ないのに命がけで助けてくれて

手を差し伸べてくれて


そっと見守っててくれて
仕事じゃなくて、桜井家でもなくて

『桜井愛梨』という一人の私を見てくれて、支えてくれる。


彼がいるから、

坂上椋がいるから

私、前に歩いていけるの。


だから、お願い!!





愛梨は切実に神様に願った。
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