あたしの執事
「愛梨っ!!大丈夫か!?怪我はしてないか?あぁ、こんなに冷えっきって……。

父は冷えきった私の手を握りながら言った。



「お……父……さ…まぁ!!」

私の帰りを迎えてくれた父の顔をよく見たいのに──




あふれる涙がそれを邪魔する



伝えたい言葉はたくさんあるのに


父の優しさが嬉しすぎて

言葉がのどにつっかかって出て来ない




母が死んだ以来、嫌われていると思ってた。




ずっと……。
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