あたしの執事
「いひゃい……。(訳:痛い)」


すると、クスクスと笑い声が聞こえてきた。


私はその笑い声のする方へ睨みつけるようにして顔をあげた。



「あなた誰!?」



私は警戒心丸出しのイラついた口調で尋ねた。



すると、男はさっきまで手を口に当て笑いをかみ殺していた表情から、すっと真剣な表情に一瞬にして変わる。


「申し遅れました。
今日から愛梨お嬢様のお世話させて頂くことになりました。坂上椋(サカガミリョウ)と申します。愛梨お嬢様専属執事でございます。御用がありましたらなんなりとお申し付け下さいませ。」

そう丁寧な物腰で私に言った。


坂上椋…私は、その人物を上から下までまじまじ見た。
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