あたしの執事
「そうなのか?残念だな。」



伸次は、心底残念そうに呟くと、坂上の意見に渋々同意し、愛梨の部屋の前の廊下を後にした。




坂上は、伸次が去るのを見届けると軽くため息をついた。



危ない所だった。


あのように言い訳をしとけば、今の伸次なら愛梨の訴えも戯言【タワゴト】としか受け取らないだろう。


いくら自分が焦って愛梨の為に着替えさせたとはいえ、普通なら即、首だ。


今更ながらに坂上は、自分のした大胆さを少し反省した。




やっと、見つけたんだ。


どんなに嫌われようと、今はただ愛梨様にお仕えしたい……。





だから、今後は冷静に対処しようと誓った坂上であった。



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