あたしの執事
「坂上君は、知性、人間性、体力、実績など全てにおいて完璧な執事だ。だから、そんな過ちをするはずがない。」
「お父様、坂上だって人間よ!!人間に完璧だなんてありえないわ。相田みつをさんという有名な詩人だって、『失敗したっていいじゃない。だって人間だもの。』という言葉を残しているのよ?」
愛梨はSランク執事という言葉に一瞬、ひるみはしたが伸次に噛みつくように反論した。
伸次は、はぁ、と深い溜息をついた。
「これでは埒【ラチ】があかないな。とりあえず、もう少し様子を見よう。きっと首にしなくて良かったと思うぞ?」
伸次は愛梨の背中を本棚の通路の方に、無理やり押し込みながら言った。
「思わないから!!今すぐ坂上を首にして!!」
「もう少し冷静に考えろ。」と愛梨に伸次は言うと通路と部屋のドアを遮断した。