Lovejunkie~恋愛中毒~
5年程前 母親から再婚すると聞かされた。
私が成人するのを待っていたと言う。


正直どうでも良かった。
ほとんど家には帰っていなかったし、
一人暮らしを始める いいキッカケになったくらいだ。

母親の再婚相手の男を紹介された。
タクシー運転手をしているという 普通の40代の優しそうな男だった。

その一度きりの出会いの後、
数年前 たまたま仕事帰りに拾ったタクシーが母親の再婚相手だったことがある。

「お母さんに たまには会いに帰ってあげて」と言われ、
それ以来 自然と私は そのタクシー会社だけを避け 手を挙げるようになった。

古くて狭い団地に住んでいた田舎のヤンキー娘の夏美を忘れたかった。

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