君ノ存在理由


「そう、それなんだよ。双子や兄妹なら分かるけどさ、赤の他人だからなー。」


  秀斗は悩むように首を傾げた。


「でもさ、何でこんな時期に?」


「確かに、今の季節は夏だしな・・・って、俺が知る訳ないだろっ!」


「だよな・・・。」


  そこで三人の会話は中止された。


「みんな席付けー。」


  私立海南高校の一年一組に、担任の声が響き渡る。
  一瞬で教室の空気が静まった。
  いよいよ転校生のおでましか。


「入って。 えー、今日は何故かみんなも知っていると思うが、転校生を二人紹介する。」


  担任が言い終わったと同時に、教室が騒がしくなった。


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