恋の時効
「よっしゃー!」

「うーわ、最悪」

「ほんまに!?」

それぞれが

思い思いの声をあげている。

ふと気付くと

ついさっきまで隣にいたはずの

幼なじみの姿がなかった。

どうやら待ちきれずに

さっさとその群集の中へと

入っていってしまったみたいだった。

一瞬、

後を追おうかどうか迷ったけれど、

僕は人の多い所が苦手だったし、

それほどクラス替えに対して

テンションが上がっていた

わけではなかったので

少し遠目の位置から

紙に書かれた名前を

ぼんやり眺めていた。

とりあえず、

自分の名前を探すことにしてみた。
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