アタシの人生、小説より奇なり

淡い恋

思い出した。


アタシがパン屋さんでバイトしてた話はしたよね?


同時期に教習所に通ってたってことも。


その同じ教習所で仲良くなった男の子がいた。


こんな言い方をすると語弊があるかもしんないけど

少し知恵遅れのある人で、何度も何度も教習で落とされて、それでも一生懸命に免許を取ろうと頑張ってた。


その人、毎日アタシがバイトしてたパン屋さんに来てくれて、毎日毎日パンを買ってくれて…。


アタシと目があったり

アタシが手を振ると

はにかんだように微笑む
好青年だった。
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