アタシの人生、小説より奇なり

遙のケガ

その日、アタシは凛と遙を連れて買い物に出掛け、やっと帰宅し、一息ついていた。

居間に凛と、よちよち歩きを始めた遙を残し、手を洗いにいく。


マサは今日もバンドの練習だ。相変わらず休日は家にいない。


台所に立っていると、後ろからガシャーーーンとガラスの割れる音がした。


振り返ると遙が扉のガラス部分に頭を突っ込み、反動でまた戻っていくところだった。


急いで遙に駆け寄り、抱き抱え、頭から溢れる血を慌てて拭きながら、凛に状況を確認すると…。


遙はどうやら、アタシに駆け寄ろうと、おぼつかない足取りで走り始めたらしい。


そしてそのまま突っ込んでしまった。
< 60 / 74 >

この作品をシェア

pagetop