アタシの人生、小説より奇なり
でもね、ある日、遙が、アタシにこんなことを言ったんだ。


まだきちんと言葉を言えないはずなのに、はっきりと。


『ママ、あたしね、前に生まれてきたときには、五年生までしか生きられなくて、ママをとっても悲しませちゃったの。だからね、次生まれてきたときには、ちゃんと長生きしようって、それでまたママのところに生まれてきたんだよ。』


って…。


その時に、あぁ、この子はアタシだから生まれてきたんだと。アタシを選んで生まれてきたんだと。


この子が病気を持って生まれてきたのは、アタシが母親ならちゃんと乗り越えて育ててくれる母親だからなんだって、そう思えるようになったんだ。
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