【束縛―ソ・ク・バ・ク―】
まだ時間があるので、彼女一人でもできるかもしれないが
パソコン以外のこの企業へのサポートを僕は作成する。

20:30完了し、僕が確認する。

「OK。帰っていいぞ。まだ間に合うから。」

「・・・篠原さん、せっかく調べてもらったのですが、
レイトショウはあきらめます。痴漢とか・・・、いたら怖いので。」


僕は気づかなかった。間に合えばいいと思うだけで。

女性が映画の上映中に痴漢に会うなんて、
確かに怖くて行けないし、行かせたくない。

「レポート、ありがとうございました。
 篠原さん、今日私がずっとパソコンに座っちゃったから
 仕事遅れてますよね。何か手伝います。」

「・・・よし、行こう!映画、付き合うよ。」







僕たちは会社を出て、途中のマックで
ハンバーガーを買い、映画館に入った。

彼女はハリウッド女優のメグ・ライアンが大好きらしい。
この女優の出演作品を見ていくうちに、恋愛映画が好きになったと聞いた。

“先日テレビで放送してた、トップガンに出ていたような?”


席について見回すと、10人いるのかと思う人数だった。


映画が始まって主人公の男女が出会った位から、寝てしまった・・・。





再び起きて映画を見ると、全て解決して
“晴れて恋人同士に”のようなラストシーンだった。

ふっと隣の彼女を見ると、大きめのタオルハンカチが目に入った。

“・・・泣いてる?”

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