【束縛―ソ・ク・バ・ク―】
パソコンが一人で使えたこともあって、多恵子の分も含めて
今日の仕事は終了した。
時計を見たら19:00だった。
帰宅の用意をしていると携帯が鳴った。
・・多恵子だ。
「今から戻ります。」
「もう終了した。帰っていいよ。」
「篠原さん、食事しましたか?夕食一緒に食べませんか。」
僕たちは某駅で待ち合わせした。
今日の川村多恵子と待ち合わせと思うと心が躍る。
駅に着くと多恵子が先に待っていた。
周囲の目を引く凛とした美しさだった。
「篠原さん。」
そう言うと右腕を僕の左腕に絡ませてきた。
悪い気はしない。
「この近くに美味しいカレー屋さんがあるんですよ。
そこはどうですか。」
返答する前に連れて行かれた。
店内はカウンターとテーブルが選べるようになっている。
「――カウンターで。」
彼女が答えると店員が案内する。
着席するとさっそく水が運ばれ注文が取られる。
「私、チーズカレーの辛口。」
「ビーフカレーの――
・・・甘口。」
不思議そうな顔で多恵子が、そして店員までもが僕を見る。
ここが大人として、男としての欠点。
僕は辛いものが苦手なのだ。
「篠原さん、かわいいですね。」
「――ほっとけ。
ところでなんでカウンター席を選んだの?」
「私、篠原さんの右側の顔が好きなんです。
さっき腕組んで左側の顔を見たけど、右側の方が素敵ですね。」
“・・・はぁ?”
褒められているのか、からかわれているのか。
声が好きで、右側の顔が好きって。
・・・なんじゃ、そりゃ。
今日の仕事は終了した。
時計を見たら19:00だった。
帰宅の用意をしていると携帯が鳴った。
・・多恵子だ。
「今から戻ります。」
「もう終了した。帰っていいよ。」
「篠原さん、食事しましたか?夕食一緒に食べませんか。」
僕たちは某駅で待ち合わせした。
今日の川村多恵子と待ち合わせと思うと心が躍る。
駅に着くと多恵子が先に待っていた。
周囲の目を引く凛とした美しさだった。
「篠原さん。」
そう言うと右腕を僕の左腕に絡ませてきた。
悪い気はしない。
「この近くに美味しいカレー屋さんがあるんですよ。
そこはどうですか。」
返答する前に連れて行かれた。
店内はカウンターとテーブルが選べるようになっている。
「――カウンターで。」
彼女が答えると店員が案内する。
着席するとさっそく水が運ばれ注文が取られる。
「私、チーズカレーの辛口。」
「ビーフカレーの――
・・・甘口。」
不思議そうな顔で多恵子が、そして店員までもが僕を見る。
ここが大人として、男としての欠点。
僕は辛いものが苦手なのだ。
「篠原さん、かわいいですね。」
「――ほっとけ。
ところでなんでカウンター席を選んだの?」
「私、篠原さんの右側の顔が好きなんです。
さっき腕組んで左側の顔を見たけど、右側の方が素敵ですね。」
“・・・はぁ?”
褒められているのか、からかわれているのか。
声が好きで、右側の顔が好きって。
・・・なんじゃ、そりゃ。