【束縛―ソ・ク・バ・ク―】
【7月】
僕はサッカーチームに入っていて毎週日曜日に練習、
時々試合をしている。

・・・と多恵子に話したら
「私も何か運動したいな。今、ヨガも流行ってますよね。」
の話から、今週の土曜日2人で公園でデートすることになった。

デートといえるのか運動目的なのか、
彼女がバトミントンを持ってくると話した。
僕は運動神経は悪くないほうだ。
あまりバトミントンの経験はないが遊び程度なら。

土曜日多恵子は大きな手さげかばんに
ラケット2本を入れて現れた。
ラケットには有名スポーツメーカーのカバーが掛けてある。

「私、高校のときバトミントン部だったんですよ。」

ほとんど草、時々坊主、申し訳程度の芝生の上に
レジャーシートを敷き、僕たちはバトミントンを始めた。

多恵子の打ち返しのシャトルのスピードは流石に速く
僕もかなり真剣に取り組まなければ拾えなかった。
ほんの遊びのつもりが試合のようにラリーが続く。

「ひと休みしましょう。お弁当作ってきたんですよ。」

7月にしては少し曇っていて涼しいのが助かった。
もっとも、まさに試合後の僕たちは暑くて
500mlのペットボトルのお茶を一気飲みする。

冷たい。冷えている。

「朝、1時間くらい凍らせて、大体このくらいの時間で溶けるんですよ。
まだあと2本あるから。」
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